storyストーリー
Week Endドレスコードは赤か緑。当日のファッションを考えていたら、つい素敵な男性との妄想が・・・?
●前回までのあらすじ
29歳丸の内OLのアイは、思うように大人になりきれていない自分に焦りを感じる。何か新しい一歩を踏み出したくて、偶然見つけたクラシックコンサートに行ってみようと思い、チケットを予約した。
休日のショッピング。
時間はあったけどお金がなかった学生時代に比べ、今は時間こそ無いけど自由に使えるお金は増えた。
なんだかんだ言って、社会人って楽しい。ボーナスが入れば好きなところへ旅行にも行ける。
結婚したら今ほどは自由に過ごせなくなるのかなぁ・・・
なんて、彼氏がいない私が悩むことではないか。
お店のウィンドウにはクリスマスプレゼントを意識したディスプレイが並ぶ。
ふーん、欲しいものは自分で買うもん、なんて心の中で強がってみたり。
雑貨屋で可愛いアクセサリーを見ながら、この間申し込んだコンサートのことを思い出した。
『ドレスコードはRed or Green』
そうだ、何を着て行こうかな。
ドレスコードってワクワクする。クラシックのコンサートって何を着ていけばいいのかわからなかったけど、ドレスコードがあるとちょっとした仮装気分。
赤か緑のアクセサリーをワンポイントにするのも可愛いけど、思い切って赤のワンピースを着ちゃおうかな。気に入って買ったのはいいけど、普段はなかなか着る機会がなくて。
せっかくお洒落して行くんだから、ブラックスーツに赤のチーフが似合う男性も来たりしないかな?
隣同士の席になって、お一人ですか?なんて会話が弾んじゃって、そのワンピース可愛いですね、もし良ければこのあと軽く飲みにでも、なんて。
銀座の街を、赤いワンピースを着た私と、赤のチーフが似合う彼で一緒に歩くなんて、周りから見れば最高にお洒落なカップル!
そして2日後のクリスマスイブも一緒に過ごして・・・って、いけない、顔がにやついてる。
本音はやっぱり、素敵な彼からクリスマスプレゼント欲しいなぁ。
当日のコーディネート候補をいくつか考えながら、イベントのSNSを覗いてみた。
FacebookやTwitterアカウントがある。
あらかじめイベントの様子を知ることができて安心。リハーサルの映像もアップされていた。
あ、この曲知ってる!『ニューシネマパラダイス』の曲だ。
演奏しているのはピアノとエレクトーンの2人なのに、その迫力に驚いた。クラシックって静かで厳かなイメージが強かったけど、これは激しくてカッコイイな。
これを生で聴くことができると思うと、22日がより一層楽しみになってきた。
せっかくだから、他の曲も聴いて少し予習でもしちゃおうかな♪
Her leaflet本当にアイが行く予定のチラシ
*ドレスコード*
RED or GREEN…装いのどこかに赤か緑を身につけてご来場ください。
ワンポイント使いでももちろんOK!*演奏プログラム*
【ピアノ&エレクトーン アンサンブル】
・パッヘルベル:カノン
・ドビュッシー:喜びの島
・モリコーネ:「ニューシネマパラダイス」より
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1 番より 第1 楽章
・三枝成彰:カンタータ「天涯」より“ぼくは祈っていたんだよ”
・ラフマニノフ:パガニーニの主題によるラプソディ 第18変奏
・ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」より“ロシアの踊り”
【ピアノソロ】
・ショパン:幻想即興曲
・須藤千晴:カメリア
【エレクトーンソロ】
・Amazing Grace
・三枝成彰:舞台「銀河英雄伝説」より“同盟のテーマ”[申込み] チケットはこちらから購入
the main character主人公
アイ
独身。都内有名私立大学を卒業後、丸の内の企業に勤めるOL。現在、彼氏なし。流行り物にはひと通り興味はあるが、特に決まった趣味もなく、年1度の海外旅行が楽しみ。牡蠣が好き。「おひとりさま」まあまあ得意。妄想、得意。