バンド名:その日暮らし
生と死の概念を基に鹿児島を拠点に活動するスリーピースオルタナティブロックバンド
Gt.Vo.島崎 清大(しまざき せいだい)
Ba.Vo.安藤 太珠(あんどう たいじゅ)
Dr.緋田 俊太(あけだ しゅんた)
未来が見えてきた、その日暮らし
―紹介文にある「生と死の概念」というのはどの部分で基となっているんですか?
島崎清大(以下清大):歌詞感だね、死にたいやつが生きるために作る音楽というか。以前podoと対バンした時に「ここまで生と死に関して歌えるやつはいないから絶対続けた方がいいよ。」って言われて気付かされて、じゃあ売りにしようというか、変わらずやっていこうと思ってる。
―その歌詞なんですけど、清大さんの歌詞は言葉選びとか韻の踏み方とか、独特ですよね。
清大: 言葉選びに関しては純文学の影響だね、完全に太宰治。韻も、踏むのを意識したりすることもある。歌が下手だしセンスもないから、歌詞だけはしっかりしていこうという思いが強いかな。
曲を作るのとは別で小説を書き溜めてあって、例えばリフをバンドに持っていってサウンドになった時とかに、その小説を読み返したりスタジオ中に思い出したりして、無理矢理歌詞として当てはめていくような曲の作り方をしてる。だから歌にメロディがないって言われるのはそこかも。
あと最近で言えば「未来が見えてきている」ような感じがするよね。
―確かに。音楽性はオルタナですが、みなさんの好むジャンルはどうですか?
緋田俊太(以下緋まる):自分はメロコア・パンク・スカあたりが好きですね。
安藤太珠(以下太珠): 僕はなんだろうな、ジャンルとかじゃないから…
清大: 太珠はグッドミュージックが好きだもんね、クラシックとかも通ってるし。
太珠:良いものは良いって全部取り入れようとしてる。
清大:最初太珠が加入した時は、お互い好きな音楽を入れたコンピを作って交換したりしたけど、太珠のコンピにはエルレの「風の日」とかポップな曲が入ってた。太珠はそれらを選んだ理由を「分かりやすさと曲構成だ」って言ってて、そこはその日暮らしに足りない部分だと気付かされたね。
―ちなみに清大さんのコンピには何が入ってました?
清大: 僕はPOPとDOPEの2枚構成で持ってって、DOPEはオルタナとヒップホップ中心で、POPは中高生の時に聴いてたような青春パンクが中心だった。
太珠: POPの1曲目はドラクエ4の序曲だったね。
清大:そうだった。緋まるが入ったからまたやりたいな。
太珠:あの時と今じゃコンピの中身が全然違うだろうね。
新ドラマー加入によって、伸びしろしかない今後
―緋まる君と知り合うきっかけはどういうものだったんですか?
清大:WALK INN FESでBACKSKiDのLOVE一郎さん(以下ラブさん)から紹介してもらうはずだったんだけど、忙しすぎて会う機会がなくて…そしたらラブさんがサポートドラムしてくれてる時に緋まるがライブを見に来てくれて、そのとき緋まるから「やりたいです」って話があった。じゃあ一緒にスタジオ入ろうかってなって、入っていいなって思って、スタジオ終わりに正規でやるかサポートでやるか聞いてみたら「俺は正規で続けていきたいです。」って言ってくれて。俺らは「まじ?」ってなって、太珠なんか第一声「は?」だったからね。(笑)
太珠:「は?」は無いよね。(笑)
清大:だからみんなにおめでとうって言われるけど、僕自身としてはおめでとうの意味がわかんなくて…今までのサポートドラムだったりブッキングしてくれたライブハウスや先輩方だったり、緋まる自身に「ありがとう」しかない。
―なるほど。今までにサポートが11人いた訳ですけど、その人たちと緋まる君は何か違うとこがあったから加入に至ったんですか?
清大:うーん、そういうわけではないけど…でも僕は緋まるが未熟だからこそ、その日暮らしが広がっていくような気がした。ラブさんも2年後に化けるぞ!って言っててその通りだなと思ったし。あとは、曲構成とかの飲み込みが早いかな。
太珠:僕は、うーん…みんな違ってみんな良かったからなんとも言えないけど、やっぱり「正規でやる」っていう言葉があったことかな。そこが一番デカい。
―その「正規で」っていう言葉に信頼感を覚えたっていうことですか?
清大:というよりは照れちゃったよね、告白されたみたいな。だからモジモジしながら「ありがとう」って言った。嬉しかったのかな。
―緋まる君はなぜ正規でやろうと思ったんですか?
緋まる:もともと「満身」っていう曲だけ知ってて、そのときラブさんから「その日暮らしが正規ドラマー探してるけどどう?」っていう連絡がきて。しかも丁度そのときTwitterでも正規ドラマー募集のツイートをその日暮らしがしてて、「あ、いけるな」っていうか。やりたいな、って思ってラブさんに仲介をお願いしました。
―じゃあ今までのその日暮らしを全然知らない状態での加入だったんですか?
緋まる:その、ラブさんがサポートしてた時のライブでその日暮らしを初めて見たので、それまでのことは全然知らなかったですね。
清大:逆に知らないから良い部分があるよね。そこが今までのサポートドラムたちと一番違うところかもしれない。それが良いことか悪いことか分からないけど、知らない方が面白いと思う。「無」だからこそ先があるというか、伸びしろがあると思う。
―なるほど。その伸びしろを基に、今後3人で目指すところはありますか?
清大:僕的にはフルアルバムかな。フルアルバムとっていろんなオーディションとかレーベルに送りまくる。緋まるが入ったことでこんなバンドになりました、っていう作品が欲しい。
緋まる:個人的なこと言えば早くライブがしたいですね。
太珠:僕は、サポートメンバーの時はどんなに頑張ってもバンドとして80点しか取れなかったのが、正規ドラマーが入ったことで100点取れるというか、目指せるようになったのがデカいから、まだ…
清大:確かにサポートの時は、その一個一個のライブを成立させることで精一杯だったね。太珠が加入した2年前も目標決めたけど、ほぼ達成できてないし。でも正規ドラマーが入ったことで先の目標が立てられるようになったと思う。
太珠: そうそう。目標とかを考えられるようになったことがすごくデカい。
清大: まあ、まずは、早く売れてRising sun Rock Fesに出たい。最終的には自主レーベル作って、シーンを作っていきたいっていうのが一番かな。
主催ライブで新ドラマーや出演者に期待する化学反応
―今度の11/9にある主催「おるたなてぃぶ2」に対しての思いはありますか?
清大: 全然ないよね
太珠: ないね
清大:今回呼ぶイヌガヨのジャックさんと元々仲が良くてお世話になってて、今度ツアーで来るから一緒にできないかってことで組んだイベントがこの主催。だから僕が今面白いと思ってる人を呼んで、何か化学反応が起こればいいなとは思ってる。イベントなんてコンスタントに打つことに意味があるから思いは特にないけど…でも緋まるが加入したことで「その日暮らしがまた始まります!」ってことをみんなに伝えられたらいいかな。
―ちなみに今回の主催で一番驚いたのは「トリプルXXX」の出演だったんですけど、なぜ彼らを呼んだんですか?
清大:僕がみんフェスっていうイベントを見に行った時に初めて彼らを見たんだけど…知り合いに行く前から「お前とは仲良くなれないだろうけど良い奴だから喋ってみて。」って言われてたから、ライブ自体もそんなノリノリで見てた訳じゃなかったのに、もう、腹抱えて笑った。人生で一番笑ったライブかもしれない。大人なのに信じられないぐらい下手で曲も何言ってるのか全然分かんなかったけど、めっちゃ「バンドだな!」って見てて思った。中学生がバンド組んで一生懸命曲作ってライブしてって、それが一番のパンクだと思うし、それが一番「バンド好きなんだな」って伝わってくるし。まあTHE トリプルXXXは大人なんだけど(笑)、そういうのが伝わってくる人たちだった。でもビビるくらい下手だから、他の人たちが見たらどう思うんだろうと思って呼んだね。
―THE トリプルXXXと他の人たちとの化学反応が見たかったっていうことですか?
清大:北九州の「THEたけし」のたけしさんはめっちゃロックンロールだからTHE トリプルXXXと絶対化学反応起こるし、そこにNAMAMENとかぶち込んで全員お互いに崩壊させたいなって。絶対面白いじゃん。
―確かに面白そうですね。では、その主催に向けた意気込みをどうぞ。
清大:頼むぞ、緋まる!
太珠・緋まる: (爆笑)
その日暮らし スリーピースオルタナティブロックバンド 企画ライブ情報 |
取材まとめ
今回の取材で感じたのは「今までのその日暮らしとは何かが違う」ということ。その何かはきっと、今度の主催イベント「おるたなてぃぶ2」で見せてくれるのだろう。新ドラマーが加入し、「未来が見えてきた」と語る彼らの今後に注目だ。