インタビュー

今の小学校の音楽授業を知っていますか?

名前:石原 幹雄(イシハラ ミキオ)
広島県出身。4歳からピアノを始める。武蔵野音楽大学器楽学科卒業。
卒業後から地元の広島で中学校の講師を始め、特別支援教育に携わる。私立の小学校に勤務した後、横浜で公立の小学校の教員となる。
現在は、音楽専科として4学年の授業と合唱、金管クラブの指導にあたっている。
趣味も音楽で、ジャンルにとらわれず様々な音楽と共に過ごす毎日。今年からJAZZボーカルにもチャレンジ中。

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現在、リアルに横浜の公立の小学校で音楽の先生をしている石原先生。
パッと見たところ、とても小学校の音楽の先生には見えないですよね。
本人もあまり先生らしく見られるのが好きではないらしい。個人的には芸術系の先生は、こうであって欲しいと思っています。

今と昔の授業の違い

公立の小学校でも「受ける」授業から「参加型」へシフトチェンジしているそうです。
考えたり感じる事に重きを置いた授業で、具体的にはリズム音符を組み合わせて、自分たちのオリジナルのリズムを造ったり、簡単な作曲をしてみたりするそうです。
イチタ:今だに「ハ長調」とかの授業はあるのですか?
ありません。長調(メジャー)や単調(マイナー)の音の響きの違いは教えるそうですが、どういう構成になっているとか理論的な事は全て中学校で教えるようになったみたいです。

音痴な生徒への対応

石原先生は「音痴」というワードは一切使わないらしいです。
代わりに「音程がとりづらいよね」とか「解りにくい音だよね」とか、音が正確にとれていないで歌を唄っていたら自分も一緒に唄ったりするそうです。
ようするに、苦手意識を絶対に持たせないように気を付けているそうです。
イチタ:教えづらい学年とかってありますか?
ありません!良く高学年は教えづらいとか、本気で唄わないとか言われるそうなんですが、石原先生が教えている限りでは高学年の方が良く歌うです。さすがですね。

石原先生が音楽授業で気を付けている事

心と耳を育てることをメインになるように意識している。ゆくゆくは音楽を通して心を豊かにするために、小学生時点では耳を育てる事を重点的に意識しているそうです。
授業中、ディスカッションする時間以外はあまり言葉を発せずにピアノを弾いて生徒の次の行動を導いたりしているそうです。
例えば「ドレミファソ」で立つ、「ソファミレド」で座る。3分間クッキングのテーマ曲で片づけ等。

石原先生が考える現在の「音楽」の改善点

心を育てる授業なのに成績はつけなくて良いんじゃない。イチタも個人的に同意見ですね。
なので、石原先生は3段階評価以外になるべく生徒一人ひとりにコメントを書いてあげているそうです。素敵ですね。

アイ・シー・ティー:ICT

Information and Communication Technologyの略。
ICTは、ITとほぼ同義語ですが、情報通信技術のコミュニケーション性を強調していて、ネットワーク通信による情報・知識の共有を念頭に置いた表現となっています。日本ではITという言葉が普及しましたが、国際的にはICTという呼称のほうが一般的です。

横浜での話ですが、昨年から応募制の海外研修もスタートしたらしいです。海外の方がiPad等を使用した授業、いわゆるICTを取り入れた授業が進んでいるらしくその辺りを学べる研修となっているそうです。
石原先生も今年は行けるように応募しているそうです。近い将来、リコーダーや鍵盤ハーモニカに変わり1人1台iPadを使用した授業も取り入れられるのでしょうね。
個人的には、どんどん取り入れていってほしいですね。

合唱曲

石原先生、実は合唱曲を造っているのです。その中でも、下記のYouTubeはイチタが個人的に凄く好きな合唱曲です。

石原先生オリジナルの合唱曲
この曲は、卒業生する生徒達が卒業記念として自分たちの曲を作りたいという思いから出来たそうです。
※楽曲を使用したい方は、石原先生にメールしてください。
メールアドレス:mikioishihara1030@gmail.com

苦手意識を抱いてしまった子供への対応方法(親御さんへ)

石原先生も良く親御さんから「リコーダーが出来ないんです」とか「音楽が苦手なんです」と言われるそうなんですが「苦手」なんて言葉使わないで!
ついつい、出来ない事に目が向いてしまいがちですが出来る事に目を向けて子供に伝えてあげてください。

インタビューまとめ

ほとんどの生徒は普通、自分が教えてもらう先生は選べませんが正直、石原先生みたいな音楽の先生に出逢いたかったと思ってしまいました。
イチタも音楽はもちろん大好きでしたが、学校の音楽の授業は好きじゃなかったです。
自分が小学校の時(20年以上前ですが)とあまり変わらない授業内容だったらガッカリしたでしょうが、少なからず良い方向に向かっているなと思いました。
音楽なんて感じる事がメインだ。そこに、リコーダーが弾けないから音楽の評価が下がるとか無意味だと感じる。
もちろん、沢山練習して上手になった生徒は評価すべきだけど、音楽を感じる・表現する能力に点数はつけられない。
石原先生の音楽で生徒に点数評価廃止は、酷く賛同してしまう。

子育て中の親御さん達も、お子さんの芸術的感性を伸ばしてあげるヒントが沢山詰まっていたのではないでしょうか?

石原先生のような芸術系の先生が日本に増殖してくれることを望まずにはいられない。

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イチタ ユウタ

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忙しい日々だからこそ、音楽で心豊かにをモットーに。
映画音楽から民族音楽まで幅広いテリトリーを武器に取材。

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