インタビュー

タブラ奏者「きゅうり」の実態

きゅうり

タブラ + エフェクト・ノイズ = きゅうり?

タブラと言う楽器をご存知でしょうか?
イチタはインドの太鼓と言うことぐらいしか知りませんでした。

さすがに、タブラ奏者「きゅうり」さんへ取材するにはそれでは失礼だと思い。
せめて、wikipediaで下調べしました。抜粋しておきます。
tabla
[写真]左:タブラー(高音)右:バーヤ(低音)

右手では右の太鼓のみ、左手では左の太鼓のみを叩く。
右手で5種類程度、左手で3種類程度の音を出す。
音にはそれぞれ名前が付けられており、インドでも地方によって呼び名が異なるが、バナーラス方面では右手のTe、Na、Ta、Tin、Deなど、左手のGi、Ki、Katなど
左手と右手の組み合わせのDha、Dhin、Tirkitなどがある。
タブラの練習の一つとしてこういった名前を口唄することもある
例)ダーダーティリキトダーダーティンナーダー
wikipediaから抜粋

要するに難しそう・・・非常にディフィカルトな楽器だと言うことが解る。

そんな、デフィカルトな打楽器の演奏者「きゅうり」を呼んで
ネットラジオ「Music ピーポー」にゲストとして出演して頂きました。
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エレクトロユニット

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シタール奏者「ヨシダダイキチ」とタブラ奏者「きゅうり」によるエレクトロユニット+パーカッションの織本卓によるライブ

最前列で聴いていました。率直な感想は「心地良い」
良くイチタは音楽を聴いている時は目を閉じて聴くのですが、きゅうりのタブラが母親の胎内で聴く鼓動のように感じ何故か今まで生きてきたセピア色の映像が断片的に閉じている目にフラッシュバックみたいに映りました。

抽象的ですが、イチタはそんな風に感じました。

音楽的に言うと、フレーズの繰り返しの中に単純な旋律、複雑な旋律が絡み変拍子なのに変拍子さを感じさせない。クラブで言うところのチルアウト系の音楽を想像して頂くと、近いものがある気がする。
シタール奏者の「ヨシダダイキチ」さんの1トラックをその場で録音してループして、どんどん重ねていく。インテンポでトラックを組んだら、重ねる音は裏拍で小刻みにソロを取ったり、とてもとても1トラックだけをベースに重ねているとは思えないぐらい色々な音が・・・聴こえてきます。そこを支えるきゅうり。必聴です。

[写真]スタンド付きタブラ:大きい方の太鼓の中にはマイクがINしてます。
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[写真]きゅうりのセットエフェクター
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[写真]ベビーパウダー:太鼓の黒い部分が汗などで濡れると音が出なくなるらしく、時折使用。
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[写真]少林寺でも出来そうな雰囲気
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きゅうり曰く、こんなにタブラにエフェクトをかけるのは珍しいそうです。個人的にはきゅうりの低音の音好きですね。バスドラとベースが一体化したような音質。

ラジオ収録後

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とりあえず、ビール呑みながら色々ラジオでは聞けなった内容を聞くことに。

タブラとの出逢い

意外にも、エイドリアン・シャーウッドやStyle Scottが組んでいたレゲエバンド:Dub Syndicate(ダブ・シンディケイト)がシタールとタブラをフィーチャリングした楽曲が初めて耳にしたタブラの音。

本格的にタブラを演奏しようと思ったきっかけは、90年代から2000年代のエレクトロニカにはまっていた時、そこで良く使われている、バスドラムとベースの中間のような音をフィジカルな演奏で表現したいと思い、「タブラなら出来るのでは?」と思い、タブラにエフェクトやノイズを加える実験を始めた。
最近、追い求めている理想に少し近づけてきたという。

音楽への執着

実は10年間、電気のエンジニアとしてサラリーマン生活を過ごしてきた「きゅうり」。その間、ライブはしていたけど自分が目指している音楽に近づけないモドカシサ。
10年も務めていれば、引く手数多な電気系エンジニアですから重要なポジションを任され、辞めると伝えても中々受け入れて貰えず。実際に会社を辞めるまで3年ぐらいかかったそうです。
今ではそのモドカシサが解消され、やっとこ音楽に没頭出来、目指している音に着実に歩み寄れているらしい。
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ヨシダダイキチさんとの出逢い

呑んだくれの友人の紹介で知り合ったシタール奏者「ヨシダダイキチ」さん。一緒に演奏活動してくれないかと直談判。
音楽には一切の妥協を許さない事で有名な「ヨシダダイキチ」さんの指摘にもめげずに食らいついて行ったらしい。そのおかげで何とか現在の姿があるらしい。
ヨシダダイキチさんの詳細はコチラ>>

今後のきゅうり

近い将来、ヨーロッパなど海外でも活動を行ないたいらしい。刺激を受ける音楽の多くは日本ではなくヨーロッパに多くあるから、そこで勝負してみたい。ヨーロッパの方がフラットな状態で音楽を聴いてくれるし、評価もしてくれる。逆輸入も視野に入れている。その為には、今の自分の音のブラッシュアップが不可欠だそうな。その一つとして、インド古典音楽もしっかりと勉強していきたいそうです。

きゅうりの実態

タブラ + エフェクト・ノイズ ≠ きゅうり
単純にタブラ音にエフェクトをかけたのがきゅうりではなさそうだ。

タブラ + エフェクト・ノイズ + α = きゅうり
インタビュー後に感じたプラスα部分が大きいのがきゅうり。

近い将来、日本以外でも胡瓜のように歯切れのよいタブラ音が聴こえてきそうだ。
世界レベルでの活躍の期待を込めて、今後の「きゅうり」から目が離せない。

profile
Photography byタカギナオユキ

タブラ奏者「きゅうり」

本名:飯田 卓也(イイダ タクヤ)
きゅうりが大の苦手。中学からドラムを始める。
高校からラウドバンドでの活動とともに、電気工学、音響工学を学ぶ。
趣向の変化とともに演奏する楽器もドラム→電子機器→タブラへと変化する。
タブラをインターフェースとし、そこにエフェクト、ノイズ等を加えることでアブストラクトでノイジーな独特のサウンドを作り出す。
タブラをインド国内外で活躍するArunangshu Chaudhury氏に師事し、インドから来日する古典音楽演奏家との共演も行なっている。2014年 6月 シタール奏者「ヨシダダイキチ」との2ピースユニットを開始
2015年 3月「Yoshidadaikiti x KyuRi」による1stミニアルバム「a a」を発売
2015年10月 タブラとノイズによるソロ活動「MetaHolic」を開始
2016年 1月 インドの宮殿でライブデビュー

※2016/03/10時点

【主な共演者】
岡部洋一(ROVOetc)、永田砂知子、CINEMA dub MONKS、EVISBEATS、ひこうき雲(越野竜太(らぞく、(仮)ALBATRUS)大竹重寿(cro-magnon))サカキマンゴー、山北健一 他

オマケ:ふざけた名刺を頂いた
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忙しい日々だからこそ、音楽で心豊かにをモットーに。
映画音楽から民族音楽まで幅広いテリトリーを武器に取材。

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