1曲入魂

河内REDSの地元愛「しがらみタウン富田林」

しがらみタウン富田林

みなさんは富田林市という町をご存知だろうか?

大阪府南河内に位置する町で、グーグル検索をすれば富田林市内の犯罪関連のニュースが多く出てきてしまう、少々ガラの悪い町だ。
しがらみタウン富田林[写真]googleで富田林市を入力した結果

この町出身の河内REDS(かわちれっず)というバンドが先日メジャーデビューを果たしたのだが、そのバンドの曲に「しがらみタウン富田林」という曲がある。

この曲はその名の通り富田林について歌ったものなのだが、町の紹介としてはなんとも弱い

「トラクターが秋祭りの季節に向けてお米を植えに行く」

「裸の大将痺れさせた花火大会」

「便利は悪いし言葉も汚い」

などの歌詞を連ね、サビでは

「何も無いけどめんどくさい町さ」

と歌っている。聞いていると決して自分たちの地元を褒めている訳では無いのが伺えるが、この曲には彼らの地元愛しか詰まっていない。

私たちが自分の地元を紹介する時も、よほどの観光地でない限り「何もないよ」と言わないだろうか。しかし本当に何も無い訳ではなく、古びた国道や小さな花火大会があるし、汚い川にさえ「河川敷で酒を飲んではしゃいで急性アル中になった」という苦くも楽しかった思い出が詰まっていたりする。余所者がゴミを捨てて帰れば怒るし、人が集まれば嬉しい。そんな歪んでいるのか真っ直ぐなのかよく分からない地元愛を、誰しもが持っているはずだ。誰しもがしがらみだらけの「俺らの町」を愛しているはずだ、と彼らは教えてくれたのだ。

こんなにも愛に溢れた歌が歌えるバンドなのだから、メジャーデビューしたことも頷ける。そしてこれを機に今まで彼らを知らなかった人達も、「地元とは」「愛とは」ということを教えてくれた河内REDSを愛さずにはいられないだろう。

今日の入魂曲Today’s Soul Song

曲名:しがらみタウン富田林
アーティスト名:河内REDS
概要:2014年、春より本格的に始動した南河内出身4人組 “河内” ロックバンド。

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あずま はな

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音楽や映画、心理学が大好きな典型的文系。音楽はロックやレゲエ、ヒップホップ、エレクトロ、民族音楽など幅広く嗜む。

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